フレドリックの視点
なぜだ?
どうして俺は、あの男のことを考えるだけでこんなにも苛立っているんだ?
冷静でいようとしているのに、頭の中では何度も同じ光景が繰り返される。
マチルダとあの男。
その映像が離れない。
説明のつかないこの苛立ちが、胸の中を蝕んでいく。
まさか俺は――嫉妬しているのか?
いや。
あり得ない。
俺が?
マチルダに嫉妬する?
そんなの馬鹿げている。
絶対に違う。
「ねえ、ベイビー。何を考えてるの?」
ポーラの明るい声が思考を遮った。
「さっきからずっと黙ってるじゃない。うつむいたまま。あなたらしくないわよ。私を楽しみたくないの? 今日のために新しいランジェリーまで買ったのに」
彼女のおしゃべりが妙に神経に障った。
黙っていてほしかった。
今は誘惑だの何だのに付き合う気分じゃない。
だが、本当の理由――マチルダとあの男のことが気になって仕方ないなんて、ポーラに悟られるわけにはいかなかった。
「あの男を見てから様子がおかしいわね」
ポーラは目を細めた。
「怒ってるの? それとも……嫉妬?」
俺は勢いよく彼女を振り返った。
「違う!」
思わず声が大きくなる。
「なんでそ