25

フレドリック視点

『良い知らせと悪い知らせがあるんだ、ベイビー。祖母がボラボラ島へのハネムーンチケットをくれた。これを利用して、俺たち二人だけで過ごすチャンスにできるかもしれない。

ただ残念ながら、妊娠騒動のほうは予想以上の速さで進んでいる。マチルダが倒れてしまって、祖母が慌てて産婦人科へ連れて行ったんだ。俺は止めようとしたんだけど。』

俺はポーラにそのメッセージを送りながら、ベッドで眠るマチルダへ視線を向けた。

彼女は気を失ってから二時間近く経っているのに、まだ目を覚まさない。

まさか人生で、自分がこんなふうに彼女と同じ部屋に閉じ込められることになるとは思わなかった。

本来なら会社にいるはずだった。

だが祖母の「ハネムーンサプライズ」のせいで、今後十日分の仕事はすでに別の人間へ割り振られてしまっている。

マチルダの体から漂う匂いは耐え難かった。

濃くて重く、それでいてどこか酸っぱい。

理解できない。

前にも香水を買えと言ったし、毎月渡している生活費だって十分すぎるほどある。

まるで他人にどう思われようと気にしていないみたいだ。

その時、ドアをノックする音が思考を遮った。

立ち上がっ
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