17

マチルダ視点

「マチルダ? どこにいるの? 出てきて」

私はこの二十分間流し続けていた涙を拭った。

フレドリックの声を聞いて、しっかりしなければと思う。

今夜どんなドラマが起ころうと、私は自分の役を演じなければならない。

ローザ夫人に弱い姿を見せるわけにはいかなかった。

「ああ、ここにいたのか! 本当に心配したんだ。どうしてこんなに時間がかかったんだ、マチルダ?」

私は顔を上げてフレドリックを見た。

彼が私を心配しているような表情を見せたのは初めてだった。

そして正直、その姿を見た瞬間、胸の奥に小さくて儚い温かさが灯った。

「ごめんなさい……。ただ、みなさんと接することに慣れていなくて、フレドリックさん」

「こんなことを言うなんて信じられないが、お前はあいつらの言葉なんか気にする必要はない」

彼はため息をついた。

「今日のお前は本当によくやっている。見違えるほど綺麗だ。あいつらの否定的な言葉なんて無視しろ。聞く価値もない。いいな?」

そして少し身を乗り出した。

「もう行けるか? まだ祖母や親族たちに挨拶しなきゃならない。あと一、二時間だけ頑張れ。分かったな?」

私は深呼吸をして頷いた
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