フレドリック視点
2017年7月 ― 一週間後
認めたくはないが――今日のマチルダは綺麗だ。
もちろん、それはポーラのメイク技術と服選びのおかげだ。
それでも少なくとも、彼女の隣に立つことを恥ずかしいとは思わなかった。
「マチルダ、本当に素敵よ! 完璧だわ!」
祖母はいつものように彼女を褒めちぎった。
まるで実の孫娘を見ることを夢見ていたかのような目でマチルダを見つめている。
だが、今日の俺は上の空だった。
ポーラと喧嘩中なのだ。
嫉妬している。
いや、嫉妬しすぎている。
あの高級ブランドのフォトシュート以来、俺はずっと彼女に冷たく接していた。
男のモデルが彼女を抱き寄せている姿を見るのが我慢できなかった。
しかも、その撮影内容を教えてきたのはマチルダのアシスタントだ。
毎月金を払ってポーラの動向を報告させている人物である。
まさかポーラがあそこまで激しく反発するとは思わなかった。
彼女は俺と別れると脅し、情けないだの弱いだの散々言ってきた。
くそっ。
まるでマチルダみたいじゃないか、俺は。
「フレドリック、マチルダが綺麗だからって見とれている場合じゃないわよ」
祖母が肩を叩いた。