マチルダ視点
「彼女と一緒に買い物してきなさい。きっと一番似合う服を選んでくれるわ。それに、あなたの体型でもブティックのドレスが入るといいわね」
ポーラはいつもの嫌味な口調でそう言いながら、マネキンの前に立つ私へ近づいてきた。そしてこちらへ向かって歩いてくる店員を指差した。
「どうだ?」
フレドリックが彼女の隣に現れた。
なぜか彼がいるだけで空気が重く感じられる。
「その店員さんにマチルダの担当をお願いしておいたの」
ポーラは満足げに言った。
「イベントの内容も説明しておいたから、どんな服が似合うか分かっているはずよ。じゃあ、私たちは行きましょう」
店員が到着したちょうどその時、あの見ているだけで疲れるカップルは去っていった。
腕を絡ませながら。
まるで理想の恋人同士そのものだった。
「こんにちは! 本日のイベント用のお洋服選びをお手伝いする担当です」
女性店員は明るく微笑んだ。
「リアム様からお話は伺っています。あのお二人、本当にお似合いですよね! ご来店されるたびに見惚れてしまいます」
彼女は目を輝かせながら去っていくポーラとフレドリックを見送った。
私は無理に微笑みを作った。