フレドリックの視点
俺はポーラの体を強引に押し分け、険しい表情で彼女のマンションへ足を踏み入れた。彼女がしようとしたキスをわざとらしく避ける。
俺はどうかしていたのか?
いや、そうではない。ただ、ポーラのあまりの無鉄砲さと、独断で進める小細工に対する怒りと失望が、内側で沸騰していただけだ。
だが、ポーラは全く気にしていないようだった。彼女は鏡の前に立ち、何事もなかったかのように冷静にフェイスパックを塗り続けている。俺がこれほど緊迫した表情をしている理由すら尋ねようともしない。
「ポーラ?」
「何?」
くそっ。彼女は俺を見ようともしない――ただ自分の鏡像だけを見つめ、完全に自分自身の世界に集中している。まるで俺のプライドが踏みにじられているような気分だった。
「ふざけるなよ。お前と話をしに来たんだ。スキンケアを見るためじゃない。こっちを向け」
「そうしながらでも話せるでしょう」彼女は平然と答えた。「あなたの突然の気分の波に付き合っているほど暇じゃないの。歓迎して、抱きしめて、キスをしてあげたのに、あなたは私を突き放した。これからのことは、あなたがしたひどい仕打ちとして全部覚えておくわ」