第68章
イシスはオムレツを皿に盛り、コーヒーを注ぎながら、レオンがテーブルに着くのを見た。
「砂糖入れる?」
彼女は尋ねた。
「君が入れてくれるなら」
彼は挑発的な口調で答えた。
彼女は笑いながら首を振った。
「あなたは相変わらずね」
「君は相変わらず美しすぎて現実味がないよ」
彼は彼女が向かいに座るのを見ながら言った。
沈黙が落ちた。
「それで……」
イシスはコーヒーをかき混ぜながら切り出した。
「私たち、これからどうなるの、レオン?」
彼はテーブルに肘をつき、彼女の目を見つめた。
「まだわからない」
彼は深く息を吸った。
「父親になるって知って、足元が崩れた気分だ。何を感じていいのかもわからない」
「全部感じて」
彼女は穏やかに答えた。
「怖さも、喜びも、迷いも……でも、もう私を遠ざけないで」
レオンは視線を落とし、カップの縁を指でなぞった。
「もう失敗したくない、イシス。両親がやっていたようなことは繰り返したくない」
彼は少し間を置いた。
「でも、君を見ると、ただそばに置いておきたいとしか思えない」
彼女は手を伸ばして彼の手を触った