第60章
ロージーとカイオは無言で待っていた。それぞれが自分の思いに沈んでいた。
何時間にも感じられる数分が過ぎ、治療室のドアが開いた。医師がクリップボードを手に持ち、廊下に二歩進み出た。
「イシス・ウィントモアさんの付き添いの方ですか?」
医師は事務的な口調で尋ねた。
ロージーが最初に近づいた。
「はい、先生。彼女はどうですか?」
医師はメモを素早く確認してから答えた。
「今は安定しています。強い感情的ストレスによる血圧低下がありました。現在観察中です。まもなく意識が回復するでしょう」
ロージーは胸に手を当て、安堵のため息をついた。
「神様、ありがとう……」
少し後ろにいたカイオが一歩前に出て、不安そうな目で尋ねた。
「それと……先生、妊娠検査の結果は?」
医師は一瞬驚いた様子で彼を見たが、直接的な質問に答えた。
「到着時にすぐに検査をしました」
カイオは息を止めた。
「それで……俺は叔父さんになるんですか?」
彼は緊張した半笑いを浮かべて尋ねた。その夜に少しでも喜びをもたらす言葉を待っていた。
医師は短く息を吐いてから答えた。
「まだ完全に断定はできませんが、最初の検査で